大阪の公立中高一貫校「咲くやこの花中学校」に合格するまでの経緯と、どんな受験対策をしてきたかご紹介します。

公立中高一貫校を目指す人へのお役立ち体験談

公立小学校では「中」くらいの成績でした。塾には行かず、母子で対策を立てて挑んだ受験。晴れて大阪の公立中高一貫校に合格するまでの経緯と、どんな受験対策をしてきたか、また、興味深い学校生活をご紹介します。 実際に通わせてみて感じることは、とても恵まれた環境で学び、入学して良かったと思える学校です。

「美術分野の合格率」に男女差はある?

 

 

コメント欄に質問をいただきました。

 

コメントでお返事を書いていると長くなってしまったため、他にも同じ思いをされている方がいらっしゃれば参考になるかも?と思い、記事としてアップさせていただきました。

 

いただいた質問の内容は、「咲くやこの花中学校の美術分野は「男子は難しい」と聞いたけれど、美術に男女比ってあるのでしょうか?」

 

というご質問でした。

 

娘が美術分野ではないので確定したことは言えませんが、学校の様子などはお伝えできるので、まとめさせていただきます。

 

美術分野の「合格率」に男女差は・・・

 

 

 

 

合格率に男女差はないと思います。学校側は男女関係なく、純粋に合格ラインに達した子を見極めていると思います。

 

仮に、学校側が男女比を考えて合格を決めているとすれば、バランスよく男女半々にするのでは?と思います。男女共学の学校ですので、そのほうがバランスがいいです。

 

ですが、各分野の男女比を見てみると、言語分野には年ごとに男子がいるかいないかという状況で9割が女子ですし、美術分野は言語に比べればもう少し男子が多くなりますが、比率でいえば女子が多いです。逆に理工分野は男子の方が多く女子は少数です。

 

単純に、男子は理系が得意な子が多く、女子は文系・美術系が得意な子が多い、という一般的な男女比構成が、咲くやの受験においても反映されているのかと思います。美術系統は繊細な感性が求められる分野だと思いますので、その特性から考えても、受験者の割合も女子の方が多くなりやすいのかなと思います。

 

受験者の男女比は、そのまま入学者の男女比率にもつながってくると思いますので、実際のクラス構成も女子の方が多くなる、ということが言えると思います。決して男子だけハードルが高いというわけではないと思います。

 

咲くやの美術分野の生徒たちはレベルが高いです。授業参観に行ったとき、展示されている生徒たちの作品を実際に見る機会があり、毎回驚きます。

 

 

これは一例ですが、美術の授業に限らず、例えば国語や社会の授業で新聞作りをしたとします。挿絵を入れたり、紙面の構成を考えたりする能力は下手な大人を超えていますし、画力そのものも、中学生の段階ですでにプロのイラストレーターのように自分のスタイルができあがっている生徒さんもいます。人と同じでなく自分らしく、というのをすでに追及しているのが伝わってきて感心しました。

 

これは、咲くやに入学して磨かれたから伸びた部分もおおいにあると思いますが、もともとの画力が高かったりキラリと光るセンスを持っているなど、やはり一定水準のレベル以上の子が合格しているのだなと思いました。

 

最後に余談になりますが、娘の受験時の話を。

 

受験前の夏に行われた学校説明会で校長先生から、美術分野に関してのお話がありました。娘は、美術を受けるか言語を受けるかで迷っていた時期だったのでよく覚えています。

 

美術コースを受験する生徒は、絵が好きなことは大前提ですが、「学ぶ」ために入学するので、好きなだけでは厳しいことになります。同じようなデッサンを何度も何度も繰り返し練習したり、力を伸ばしていくために、やりたくない内容のこともやらなければなりません。自分が描きたい絵を好きなだけ描けるような環境ではないです。

 

また、咲くやこの花中学校はクラブ活動も分野ごとに入れるものが決まっており、美術分野の生徒は一律で美術部です。学校の考え方として「分野の能力をさらに発展させる」ことを目的としているためです。自由がなく窮屈な印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。私もその話を聞いた時は「そこまでする?」と思いました。ですが、好きな分野に進んでいる本人たちは楽しく活動しています。

 

確か2年次からだったかと記憶していますが、希望者には第二のクラブ活動が可能です。成績が下がらないこと、メインのクラブにも所属して活動すること、が条件だったように思います。

 

話を戻しますが、美術分野から高校に上がれば、造形芸術系列と映像表現系列から選択することになります。

 

また、美術分野の生徒はいずれ美大を目指すことになるのですが、美大は医学部の次にお金のかかる学部です。そういった将来のことも見据えて進む方向をお考えください。

 

というお話でした。シビアな内容ですが、この話を事前に聞けたのは大きかったです。実際に入学してから「思っていたのと違う」というようなことになるのは悲しいことですし、学校側もそういったことが無いよう配慮されていたのだと思います。

 

咲くやこの花中学校の美術分野の入学者選抜は実技があるので、受験される場合は、しっかり練習しておかれる必要があります。これは私の考えですが、デッサン力などは付け焼刃では難しいので、美術系の受験対策に精通した絵画教室を探し、プロの先生と相談しながら長期できちんと学ばれるのが理想的だと思います。

 

まだ時間はありますので、落ち着いて受験準備を進めてあげてください。